タトゥーアーティストインタビュー連載、記念すべき初回はINSCRIBE TATTOO上野店でタトゥーアーティストとして活躍中のA24さんです。タトゥーアーティスト5年目となるこのタイミングで、これまでのアーティスト人生やタトゥーへの価値観についてお聞きしました。
A24さんとタトゥーの出会いについて教えてください
タトゥーと出会ったのは10代の頃です。スケートボードが趣味だったのですが、スケボーブランドのデザインはタトゥーデザイン由来のものが多くて、それがタトゥーに興味を持つきっかけになりました。
スケボーのデッキはアメリカントラジショナルタトゥーのデザインが多いので今でもそこがルーツになってます。今も一番彫っているジャンルです。
–ファーストタトゥーを入れたのもその時ですか
当時はタトゥーに興味はありましたが、「すぐにタトゥーを入れてみよう!」とはならなくて、彫り師としては、自分の肌に何もない状態で始めました。彫り師になったのは、すごく強い動機があった訳ではなくて、多分若気の至りですね笑。
見習いで入ってからは、最初は紙に絵を描く練習から始めていくんですけど、いざ自分の身体で練習してみるとなった時に、どのくらいの深さまで針を刺したらいいのか全くわからなかったんです。
そのタイミングで勉強も兼ねてファーストタトゥーをもみあげのところに先輩に入れてもらいました。これから一生彫り師として生きていく覚悟も込めて入れましたね。顔に入れたらオフィスワークは難しいので笑。
デビューするまでにどんな修行をされたのですか
基本的に先輩に課題を出していただいて、その絵を自分なりに紙に描いてみることから始めました。マシンを使って彫るのは、最初は自分の身体で練習して、ある程度彫れるようになったら、先輩方の身体を借りて彫らせてもらっていました。
–紙に書くのとマシンを使って彫るのはやっぱり違いますか
人の身体で平面な場所は基本ないのでその違いは大きかったです。特に、肘とか肩の関節は曲げたり伸ばしたりするのでデザインも明確に平面とは変わってきます。身体に合うようにバランス感覚を持って彫っていく必要がありますね。あとはタトゥーはどうしても時間が経つと滲んだり、抜けたりという変化があるので、結構意識することが増えます。
—INSCRIBE TATTOOはオールジャンルだとお聞きしたのですが、苦戦したジャンルなどはありますか
人によると思うんですけど、僕はアメリカントラディショナルタトゥーが一番難しかったです。
今一番描いているジャンルなんですけど、これだけ描いても難しいです。アメリカントラディショナルタトゥーって人によっては小学生でも描ける絵のように感じると思うのですけど、ポップで崩れているので逆に難しいんですよね。
その名の通り、結構伝統的なものが由来になるので、元絵を自分なりに変えたり、オリジナリティを出していくのがやはり難しいところで、これからも勉強が必要だと感じています。
タトゥーを入れたいと悩む人にアドバイスをお願いします
僕もDMとかで相談されることが沢山あるんですけど、家族や仕事との関係もあると思うので無責任なことは言えないです。ただ、僕も元々ゼロからスタートしていて、分からないことが沢山あったので、不安はすごくわかります。
うちは予約なしで直接来ていただいても大丈夫なので、見学や相談とかいつでも来てくれればと思います。色が抜けるとか滲むとかの僕たちからすると、基本的なことでも初めての方は分からないことだらけだと思うので、ぜひ気軽に相談してください。
–最初にお願いするタトゥーアーティストはどうやって決めたら良いのでしょうか
ジャンルによって異なるので、技術的な所は言い出したらキリが無いのですが、自分が良いと思うかどうかが一番重要だと思います。
技術的に上手いかどうかを気にしちゃう方って結構多いと思うんですけど、上手いか下手かも結局主観なので、その辺を気にして知らない彫り師さんに頼むよりは、信頼できる人に沢山相談して、その人に彫ってもらうのが一番良いと思います。
ただ、個人的には、下手なタトゥーもすごく好きなんです。
今まで先輩の身体を借りて練習させてもらってた分、僕も後輩に身体を貸すんですけど、めちゃくちゃ下手くそで笑。
だけど、それぞれ思い出もありますし、なんだか味があって好きなんですよね。
A24さんの今後の展望について教えてください
自分の作品が誰が掘ったと聞かなくとも、「たぶんこれA24だな」って思ってもらえるような彫り師になりたいです。
彫り師同士だと、このタッチは誰々のだなと分かることが多いんですけど、一般の方が見ても分かるようなオリジナリティを持ちたいですね。
タトゥーは歴史を掘り下げれば掘り下げるほど奥が深いので、一生かかってもわからないかも知れませんが、自分は一生彫り師として生きていこうと決めているので、死ぬまでにできる限り突き詰めていきたいなと思っています。
最後にINSCRIBE TATTOOの魅力を教えてください
INSCRIBE TATTOOは「上野、池袋、新宿、原宿」の4店舗あるのですが、店舗ごとに雰囲気や特徴も結構違いがあるんです。
特に去年の夏に新しくオープンした原宿店は路面店で天井も高くてすごくオシャレなんです。
どの店舗も基本的にオールジャンルに対応しているのですが、それに加えてプラスでやっぱりINSCRIBE TATTOOのアーティスト達は個人個人、自分の個性を生かしたオリジナルデザインとかを日々作っているので、うちのスタジオだけを回っても新鮮味はあると思います。
特に初めての方はタトゥーについて分からないことが沢山あって不安だと思います。うちのスタジオは予約なしで直接来ていただいても大丈夫です。見学や相談など無料でできるので気軽に来てください。
店舗名 | INSCRIBE TATTOO(インスクライブ タトゥー)上野店 |
住所 | 〒110-0005 東京都台東区上野6-8-19 小野田ビル 4F ONODA BUILDING 4F 6-8-19 UENO TAITO-KU TOKYO |
TEL | 03-3835-4044 |
営業時間 | 11:00~20:00 |
メールアドレス | tattoo@inscribe.jp |